不動産特定共同事業法とは

不動産を小口化し投資商品として販売する「不動産特定共同事業法」の改正法が2017年12月1日に施行されました。

改正により、地方の小規模不動産業者が不動産証券化を活用して再生事業に参入する機会が生まれました。


不動産特定共同事業法は、平成6年6月に制定された法律です。この「不動産特定共同事業」というのは、小口の資金を集めてその資金を元手に不動産投資を行い、そこから得られた収益を投資金額に応じて配分するという仕組みになっている不動産事業のことです。

不動産特定共同事業とは、「複数の投資家からの出資により不動産を取得し、不動産を運営して得た収益を投資家に分配する仕組み」のことです。

貸金業とは異なり物件情報の開示が可能なため、物件を見ながら投資できるというのが最大のメリットです。

今までの不特法とは

2013年にSPCで不動産特定共同事業を営むことができるよう、法改正が行われました。SPCが不動産特定共同事業の免許を持つ会社(宅建免許を持つ会社)と契約を結んで事業を委託し、銀行や信託銀行などの機関投資家を事業参加者として組み入れることなどを条件に特例を認めたのです。


しかし2013年の改正では、銀行などの機関投資家が絡む取引に限定されたSPCだけが不動産特定共同事業に参入できるに過ぎず、大手の不動産業者はこうした特例の恩恵にあずかることはできても、中小の不動産事業者には高い参入障壁として残りました。そこで、2017年の第2次法改正では、小規模の不動産業者に事業参入への道を開け、インターネット時代に即した資金調達手段を認めるなどの措置を講じました。

法改正の概要

平成29年6月2日公布、12月1日施行

背景・必要性

空き家・空き店舗等が全国で増加する一方で、志ある資金を活用して不動産ストックを再生し、地方創生につなげる取組が拡大しているが、不動産特定共同事業※に該当する場合には、許可要件が地方の事業者にとってはハードルが高く、見直しが必要。

※ 組合形式で出資を行い、不動産の売買や賃貸による収益を投資家に配当する事業。


地方創生に資する事業での資金調達方法として、クラウドファンディングの活用が広がる中、不動産特定共同事業では書面での取引しか想定しておらず、電子化への対応が必要。

観光等の成長分野を中心に質の高い不動産ストックの形成を促進するため、不動産特定共同事業制度の規制の見直しが必要。

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法改正のポイント

参入障壁下げる法改正ポイントは3つ

法改正は、規模の小さい空き家再生などを中小の不動産業者が参入できるよう、取引の範囲と担い手を拡充するのが最も大きな狙いです。

また、インターネットによる新しい資金調達手段であるクラウドファンディングの取り扱いを認めました。


出所:国土交通省資料を一部抜粋

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